月山クリニック

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腰の痛み

こんな症状はありませんか?

こんな症状はありませんか

  • 腰がだるい・重い
  • 腰に鋭い痛みがある
  • 長時間立ったり座ったりした後、腰を動かすと痛みが生じる
  • 起床時に腰を曲げると痛みが生じる
  • 前屈・後屈姿勢を取ると腰が痛い
  • 痛みのせいで、腰を曲げた姿勢でないと立っていられない
  • 安静時にも腰に慢性的な痛みがある

主な腰の病気

ぎっくり腰

ぎっくり腰の正式名称は「急性腰痛症」と言い、腰に無理なひねり・反りなどの動作が加わることで、椎間板、椎間関節、仙腸関節、筋膜などが捻挫することで起こります。捻挫以外にも、筋肉や軟骨などが損傷することで起こる場合もあります。また、重い荷物を持ち上げるなど、腰を酷使した時だけでなく、「朝、顔を洗うために前屈みになった時」や「くしゃみをした時」など、日常的な動作が原因で起こることもあります。
軽度の場合、通常2~3日程度で快方に向かいますが、重度の場合には2週間〜3ヶ月程度痛みが続くこともあり、頻繁に症状が繰り返す場合には、骨粗しょう症や骨折など、違う病気を疑う必要があります。また、ぎっくり腰から椎間板ヘルニアに移行することもあるので、症状を感じた時にすぐに医師の診察を受けるようにしてください。

 

腰椎椎間板ヘルニア 

椎間板とは、背骨を構成する骨と骨との間にある線維軟骨のことで、これが何らかの要因により後方に飛び出し、周囲の神経を圧迫して痛みやしびれなどの症状を引き起こすものを「椎間板ヘルニア」と言います。そしてこれが腰に起こるものを、「腰椎椎間板ヘルニア」と言います。加齢、姿勢の悪さ、スポーツ時の動作などが原因で起こることもあります。重症になると運動神経や感覚神経が損傷し、神経が麻痺してしまうこともあり、それによって重大な機能障害が生じた時には、手術が必要となる場合もあります。

 

腰部脊柱管狭窄症

人の背中には脊椎(背骨のこと)が頭~骨盤までをつないでいます。脊椎の中には脊髄といわれる脳と体をつなぐ神経が走行する脊柱管という骨のトンネルがあります。その脊柱管が何らかの原因で狭窄(狭くなること)すると脊柱管狭窄症となり、特に腰椎(脊椎の腰の部分)で生じたものを腰部脊柱管狭窄症と言います。
 腰部脊柱管狭窄症の症状についてです。腰部と書いてあるので、きっと腰痛がまず頭に浮かぶと思います。確かに腰痛もあるのですが、それよりも特徴的な症状があります。下肢の疼痛やしびれ、そして歩行障害です。下肢痛やしびれは下肢に沿って生じることが多く、下肢の中でも生じやすい場所として太ももの後面・外側~ふくらはぎ~足部が挙げられます。歩行障害も有名で、間欠性跛行と呼ばれています。間欠性跛行とは、連続して5分・10分と歩いていると下肢痛やしびれが増悪して休憩する、という歩行です。休憩すれば改善してまた歩けるようになりますが、再度症状が増悪して休憩することを繰り返します。腰よりも下肢に症状が出る原因は、脊柱管内での神経圧迫によるものです。つまり、この疾患の本質は神経痛です。
 少し話がそれますが、腰部脊柱管狭窄症で少し奇妙な現象があります。自転車は楽に乗りこなせる、という患者が多いことです。そのために、自身は元気である、とおっしゃられます。腰部脊柱管狭窄症の患者は腰を前傾にすることで一時的に狭窄部が緩和されて神経の圧迫が改善して症状が和らぐからです。自転車に元気に乗ることができても、必ずしも病気がないとは限りません。

診察・検査

問診で下肢症状や歩行状態をしっかり聞かせていただきます。触診で下肢の筋力や感覚のチェックを行います。レントゲンで脊椎の変形などを確認して、変形による脊柱管狭窄の可能性を探ります。変形には、脊椎が加齢によってずれている腰椎変性すべり症や椎体骨折による骨性の変形などがあります。変性すべりなどの変形があった場合(図1)、脊柱管の狭窄だけでなく不安定性による影響も考慮しなければなりません。もし疑いがある場合、追加でMRIという検査を行う必要があります(図2・3)。
(注)MRIはレントゲンでは評価できない神経の描出を可能にする優れた検査です。MRIによって脊柱管の狭窄の有無・場所・程度を評価します。身体の症状や画像の程度によって、治療方針が決定されます。

腰部脊柱管狭窄

(注)MRIは閉所恐怖症の方、安静を維持できない方は撮影することが困難で中断する可能性があります。強力な磁力を発生させる機器であるため、身体に金属が入っている方も場合によっては撮影が不可能な場合があります。刺青やタトゥーには金属成分の塗料を使用していることがあり、上記の理由で撮影不可能なことがあります。

治療

程度によりますが、まずは薬物治療から開始します。症状の緩和が不十分あるいは無い場合、侵襲は強くなりますが効果が期待できるブロック注射を行います。

①薬物治療

1、血流改善薬
神経圧迫による血流障害が生じているため、薬物による血流改善を図ります。

2、ビタミン剤
ビタミンを補給することにより神経の改善しやすい環境を整えます。

3、非ステロイド抗炎薬などの鎮痛薬
疼痛を一時的にでも緩和することで、生理的な回復力を促す起点となります。

4、神経障害性疼痛改善薬
神経痛に特化した治療薬です。中枢・末梢神経の障害に有効です。

②リハビリテーション(運動療法・物理療法)

歩行障害や下肢症状により運動量が低下します。その結果、運動機能がより低下しやすくなります。リハビリテーションによって低下した運動機能の改善を促します。また除痛効果も期待できます。

③ブロック注射

1、硬膜外ブロック・仙骨裂孔ブロック
脊椎の隙間あるいは仙骨(骨盤の一部)から脊柱管内へ注射を行います。ステロイドという神経の炎症を緩和する治療薬を使用して症状の改善を図ります。内服薬より高い効果が期待できますが、針を刺す分だけ身体への負担が強くなります。

2、神経根ブロック
脊柱管内を走行している神経が枝分かれして神経根となり、腰部であれば下肢へと向かいます。障害を受けている神経根1本に直接注射を行います。最も治療効果を期待できます。

上記のように保存的治療を行っていきます。保存的治療での注意すべき点ですが、脊柱管の狭窄を改善しているわけではなく、狭窄した状態のまま症状や運動機能の改善を図っていることです。残念ながら、狭窄した部分を拡張させることは困難です。

④手術

治療効果が不十分な場合は手術となります。保存的治療では困難であった脊柱管狭窄部を拡張・安定させることで神経への圧迫を解除します。それにより症状や運動機能の改善を図ります。腰部脊柱管狭窄症は緩徐に増悪していく疾患ですが、中には緊急手術に至ることもあります。緊急手術になる障害・状況はいくつかありますが、その中でも特に重要な障害が膀胱直腸障害です。腰部脊柱管狭窄症は重篤になると排尿・排便障害を来します。最悪の場合、自分の意思とは関係なく漏れ出てしまう尿失禁・便失禁に至ります。その状態に至ってから手術を受けたとしても改善の見込みは乏しく、QOL(生活の質)を著しく低下させてしまいます。腰部脊柱管狭窄症の既往があり膀胱直腸障害の兆しがある方は注意が必要です。

このように腰部脊柱管狭窄症は頻度が高く、下肢症状による歩行障害を来します。そのため、QOLを維持するためには早期発見・早期治療が必要となっています。これまで私は脊椎外科医としてこの疾患に従事してきており、地域の方々に適切な医療サービスを提供できると考えます。もし何か気になることがございましたら、お気軽に受診下さい。

 

腰椎すべり症(腰椎分離症)

腰椎がずれることで脊柱管(脳と体を繋ぐ神経が走行する骨のトンネル)が狭窄する(狭くなる)ことで、馬尾神経や神経根などが圧迫されて、下肢の痛み・しびれのほか、「間欠性跛行」と呼ばれる歩行障害などを引き起こす疾患です。安静時に痛み・しびれなどの症状が現れることは少ないとされていますが、長時間同じ姿勢を続けたり、立ち仕事や重労働などを行ったりした後には強い痛みが生じる場合もあります。

 

内臓疾患が原因で腰痛が起こる場合があります

内臓疾患が原因で腰痛が起こる場合があります

腰の痛み・しびれなどの症状でお困りの患者さんに対しては、レントゲン検査などにより腰のアライメント(骨の配列・位置関係)や変形などを確認し、適切に診断します。しかし、腰痛は筋骨格系・運動器系の障害だけでなく、腎結石などの内臓疾患が原因で起こる場合もあります。そのため当クリニックでは、骨や筋肉などの状態だけでなく、内臓疾患にも注意して検査を実施します。なお、内臓疾患が原因で症状が現れていると判断した場合には、提携する専門機関を紹介させて頂きます。

治療がいつ終わるのか

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